NHK『世界のいま』の黒人人権運動の紹介はどこが「差別的」だったのか?アメリカ学会の研究者からの声明のポイント

NHKの番組『これでわかった!世界のいま』が黒人人権運動について放映した内容が、「差別的」で問題があるという声が高まり、駐日代理大使まで抗議をする事態となり、NHK側は一応の謝罪とツイートの削除などの対応をしました。しかしその一方でツイッターなどの反応には、ブラックライヴズマターには好意的だけれど、正直どこが問題なのかがわからないといったものも散見されました。
 
この件に関して、所属している日本アメリカ学会の有志一同が声明を出しています。筆者も賛同の署名をしました。
 
この声明文は、NHKに対して問題がどこにあるのかを説明し、再度正式な謝罪や対応を求めるもので、出典など根拠もつけた解説となっていて、問題の所在を以下の4点に分けてうまく説明しています。
 
関心があるのに問題がわからない、だからあまり口に出せないなあ、と感じていた人はぜひ読んでみてください。「なるほど!」となるかと思います。
 
●4つの問題点
(1)黒人に対するステレオタイプ(偏見イメージ)を強化
(2)抗議デモについての偏りのある不正確な描写
(3)「人種主義」という考えが持つ問題への不理解・不公正を導く問題設定
(4)公共放送たるNHKによる国際的にかけ離れた報道水準と制作過程への疑問
 

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NHKはツイートした動画を既に削除済。問題を単に忘却せず広く考えていくためにはむしろ注釈など付けて公開しておくべきでしょう。
 
NHK『これでわかった!世界のいま』(2020 年 6 月 7 日放送回)の番組内容と SNS での投稿に関する要望書
(A Statement by Scholars of American Studies Regarding the NHK Program “Kore-de- wakatta Sekai-no-ima” (Aired on June 7, 2020) and Related Social Media Posts)
 
全文:
 
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#BlackLivesMatter #ブラックライヴズマター