パブリックヒストリー研究会発足二周年シンポジウムに登壇しました。
10名を超える各分野の専門家がジャンルを交差させる試みで僕はミュージアムやモニュメントを担当しました。「災害の記憶――美術館・博物館・モニュメント」と題して、3.11の「震災伝承施設」や双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館、震災遺構をコミュニティとの関わりという観点から紹介しました。
第二部は、デジタル時代のパブリックヒストリーに関する第一人者セルジュ・ノワレ氏の発表で、こちらはYouTubeで公開されているようです(文末)。
オンラインで海外との研究交流が容易になったのはもとより、多数の論者が参加するこうした形式もまた、コロナ禍以降オンラインのトーク番組などでも見慣れた風景となりました。アカデミアにおいても、パブリックヒストリーを考える研究会でこのような試みがなされるのは興味深いことだと感じます。
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「パブリックヒストリーの現在と未来 第一部 拓かれる様々な可能性」パブリックヒストリー研究会二周年記念研究大会 2021年3月29日
パブリックヒストリー研究会が一昨年3月に発足して以来2年が経過しました。残念ながらCovid-19の影響をうけて、昨年3月に予定されていた公開研究会が中止されてからは、インターネットを利用して研究活動を継続しております。このほどは2周年を記念してそれにふさわしい企画を計画していましたところ、パブリックヒストリーの国際化に最も中心的な役割を果たし、また最近はデジタル・パブリックヒストリーについての考察を進めているセルジ・ノワレ氏が参加を快諾してくれましたので、氏を招いた講演会を中心として、あわせてパブリックヒストリー全体の現状と様々な可能性を議論するパネルを開催することになりました。ZOOM ならびに YouTube を利用しての会となりますが、参加・視聴を希望される方はこちらにお問い合わせください。
開催日までに URLをご連絡いたします。なお2部の使用言語は英語となりますが、参加者・視聴者への日本語補助も行う予定です。パブリックヒストリーに関心のある皆様のご参加をお待ちしています。
3月29日(月)
14:00~16:00
第1部 パネル「拓かれる様々な可能性」
パネリスト:池尻良平(AI)、伊藤真実子(博物館・博覧会)、小森真樹(博物館・美術館・モニュメント)、小牧幸代(遊園地・テーマパーク)、鈴木洋仁(映画・テレビ)、徳原拓哉(教育)、東ゆみこ(神話・思想)、山口陽子(ツーリズム)、渡辺賢一郎(マンガ)
司会 岡本充弘
総合コメント 成田龍一、本橋哲也
17:00~19:00
第2部 「国際パブリックヒストリー連盟前会長セルジ・ノワレ氏講演会
~『デジタル・パブリックヒストリー・ハンドブック』刊行に寄せて~」
報告: セルジ・ノワレ(欧州大学院-IUE)
コメント: 菊池信彦(関西大学)、小風尚樹(千葉大学)、柳原伸洋(東京女子大学)