寄稿しました→「ブラック・アートはなぜ形容詞つきなのか? 展覧会とミュージアムの歴史からたどる」『BT美術手帖』「ブラックアート特集」2023年4月号

 本日3月7日発売の『BT美術手帖』4月号「ブラックアート特集」に以下の題で短い評を寄稿しています。
https://bijutsu.press/books/5128/

「ブラック・アートはなぜ形容詞つきなのか? 展覧会とミュージアムの歴史からたどる」

 他の方の寄稿もさまざまな角度から書かれており、単純に把握するのが困難なテーマながら非常に充実したものになっています。

 必ずしも専門とは異なるので今まで文章などにはしてこなかった主題でしたが、この機会に勉強し直し振り返り、蛇行し偏重する展示史・ミュージアム史をたどってみたいと思うきっかけをいただきました。お声がけいただいた山本浩貴さん、ありがとうございました。牧信太郎さん、編集ではお世話になりました。

 ちょうど最近、以下のように関心を共にする論考がオンラインで公開されたものも見つけたのですが、ぜひ特集と併せてお読みいただきたいものなので紹介しておきます。

 アーティストの藤井光さんによる濃厚で充実した書評は、萩原弘子さんの『展覧会の政治学と「ブラック・アート」言説 ―1980年代英国「ブラック・アート」運動の研究』を紹介しながら、作家としての藤井さんの活動や「日本」というポジショナリティの問題にも踏み込んだものです。本書は今回の記事を執筆するなかでも大変勉強させていただきました。萩原さんは特集にも寄稿されています。
https://www.art-it.asia/top/admin_ed_exrev/232972/

 ロンドン芸術大学の菊池裕子さんの記事では、直近の展覧会も取り上げつつ、上の論考同様に日本の人種マイノリティを扱う文脈にも接続して論じています。問題意識を共にしつつ、拙記事では扱えなかった多くを取り上げてくださっているこの記事もぜひお読みいただきたいです。
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/black-art-01-202302