ジェンダー×美術館×アートで「歴史」の偏りを考える、という感じの論考です。書籍は次年度から始まるリレー講義の教科書として編まれたもので、授業で引きのあるネタを集めたものですが、調査次第では学術論文としても書けるし、もっと書かれた方がいい主題だと思っています。
「女性史美術館へようこそーー展示という語りと語りなおし」『人文学のレッスン』小森謙一郎、戸塚学、北村紗衣共編著、水声社、2022年。
記事の冒頭4ページと目次:
人文学のレッスン_小森真樹_配布用.pdf - Google ドライブ
概要:
ジェンダー的バイアスについて批判的に美術史を読み直す方法について、ミュージアム研究および女性史の観点から論じた。現代美術作品、美術展キュレーション、及び、美術品収集・美術館創設の事例から、美術史において隠されてきた「女性」の影響力を再評価し美術史を是正する試みについて紹介した。さらにより近年の事例として、ミュージアムにおけるICT技術利用の取り組みも取り上げ、デジタル化が展覧会による歴史の語りにもたらした貢献についても議論した。