【資料公開中】《YCAMオープンラボ2023 もうひとつの学び場》山口情報芸術センター(YCAM)に参加しました

追記:当日使用したスライド資料を公開します。別の機会にこの話をゆっくり聴きたいと言ってくださる方がいたのですが、残念ながらその会はひとまず延期となってしまいました。もしご関心のある方はお気軽にお声がけください。

 500年超のミュージアム文明論に位置づけてYCAMや日本のミュージアムを理解してみるというお話です。

20231104 「ミュージアム論でYCAMをかんがえる」YCAMシンポジウム_20231104b.pdf - Google ドライブ

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 11/4に山口情報芸術センターYCAM)のトークイベントに登壇しました。館の開館20周年を記念するイベントで、当初から立ち会ってこられたスタッフのみなさんだけでなく、幼少期からセンターを遊び場にしてきた面々も登壇。なんと、小学生時代にイベントの開期延長をもとめて署名活動をおこなったという伝説の猛者も。


 ミュージアム専門家の立場からYCAMの活動について何らかの評価軸を提案することが求められ、次のようにアンサーしました。500年超の長大なミュージアムの文明史を「①あつめる ②ひらく ③つかう→つくる」と特徴づけた上で、ラーニングやアートプロジェクトなどの柱を持ったYCAMの活動をその歴史の先端に位置づけてみました。デジタル技術をつかった「メディアアート」のミュージアムという側面が強調されることも多いYCAMですが、「メディア」の多様化や相対化の歴史としてむしろその活動を捉える理解が適切だと思うし、それは「ミュージアム」という機構の発展史として必然性があるのだというお話です。

 また、ミュージアム研究」という、より人文学的な学問の体系から同館の活動を意義づけることもねらいとしました。館長の会田大也さんがあいちトリエンナーレ2019のキュレータとして担当した「ラーニング」プログラムをミュージアム論・美術批評から意義づけるという過去の仕事の続編と考えてもいます。↓(pdfで読めます

phoiming.hatenadiary.org

 時間が足りずすこし伝えベタになってしまったと反省していますが、自身でもいっそうYCAMの意義=おもしろさがクリアに見えるようになり、とても刺激的な経験となりました。お招きありがとうございました。

 前入りして二日間たっぷり周辺のことを教えていただき、シンポジウムと併せて歴史をつくって来られた皆さんから教えていただく非常に貴重な「学び場」となりました。

 

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山口情報芸術センターYCAM]シンポジウム
YCAMオープンラボ2023 もうひとつの学び場》
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2023年11月4日(土) 14:00-17:00
山口情報芸術センターYCAM]ホワイエ
https://www.ycam.jp/events/2023/openlab/

 

<開催概要>
YCAMは2003年の開館からさまざまなクリエイターたちと協働しながら、メディア・テクノロジーと表現との関係を模索し続けています。また作品の制作発表に止まらず、地域に開かれたアートセンターであることを目指し、地域の人々や来場者と共にアートやメディアリテラシーについて考え、学ぶワークショップやトークイベントを多数展開してきました。
本イベントは、YCAM開館20周年記念シンポジウムとして、2003年11月1日に開館した山口情報芸術センターYCAM]の活動を、学校とは異なる「もうひとつの学び場」として捉える視点から振り返るものです。

 

<3部構成のシンポジウム>
第1部(14:00-14:55):

これまでにYCAMを訪れ、イベントやワークショップに参加してきた参加者の中には、小学生も含まれます。第1部では、小学生の頃にYCAMを訪れていた、山口とゆかりの深いゲストに迎え、その当時のYCAMの様子や現在の活動について話を伺います。

第2部(15:00-15:55):

YCAM設立当時の活動から現在の活動に至るまでの軌跡を知るゲストとともに、これまでの活動を振り返ると同時に、ミュージアムやアートセンターの教育活動について他館の事例なども交え、文化施設が担うことのできる教育的側面や意義について考えます。

第3部(16:00-17:00):

イベントに参加した来場者とともに、小グループでフランクな議論ができる形式でのディスカッションを行います。

 

登壇者(第1部)
岩本いち
木越斎
ミハエル・エムデ
モデレーター:菅沼聖

登壇者(第2部)
熊倉純子
廣田ふみ
小森真樹


モデレーター:会田大也主催:山口市、公益財団法人山口市文化振興財団
企画制作:山口情報芸術センターYCAM (編集済み)