2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

和風・純アメリカなるもの:三谷幸喜『君となら NobodyElseButYou』

三谷幸喜脚本による1995年の舞台。二年後に再演。共にパルコ劇場。抱腹絶倒のシットコム。当時のコピーがニューヨークタッチの純和風お茶の間ホームドラマ。 親子ほどの年上の恋人をつれてきた娘が家庭に巻き起こす 騒動をアップテンポに描く。とある。当時…

水、動植物、民間療法は誰のものなのか:Irena Salina『FLOW』

ある機会に、水ビジネスについてのドキュメンタリー、『FLOW For Love of Water』(Irena Salinaイレーナ・サリーナ監督、2008)を『松嶋×町山 未公開映画を観るTV』(TOKYO MX)で観たのを思い出す。 近代のインフラ開発事業以後、世界中の水は、わずか3社…

インディアンマスコット論争、パロディと対抗言説、年始の「祭り」

以前、アメリカの大学にはそれぞれマスコットがあって云々という話をした。 スカンクだったのをわざわざ止めてまで黄色ナメクジを選んだUC Santa Cruiseはばかだなあ、という笑い話ならまだいいけど、マスコット化されまくっているネイティヴ・アメリカンの…

郊外論と当事者性:サイタマノラッパー、サウダーヂ、ひかりのおと

作品評ではないのだけれど、「ひかりのおと」を観たあと考えたけど書ききれなかったことを備忘録的にまとまりなく。●「地方郊外」発の物語と当事者性 こうした流れは、ジャーナリストや学者たち「中心」の立場から地方を「周縁」化する言説に対して、当事者…

山下敦弘・Q.B.B. 『中学生日記』

先の『ひかりのおと』のエントリーで考えたことはなんだろうとふと考えてみたんだけど、「観客がどういう立場で映画を観るのか。そのことを制作者はいかに設定(ないし操作)できるのか」ということだろうか。エントリー書きながら実家にDVD持って帰ってきて…

「ドキュメンタリーなるもの」の力:山崎樹一郎監督『ひかりのおと』

山崎樹一郎監督による長編デビュー作『ひかりのおと』(2011)を観た。トマト農家を営むかたわら5年以上温め続けた映画の構想は、監督自身が住む岡山県真庭市を舞台にした酪農家のホームドラマとして結実した。過疎地域で酪農を営む一家を描きながら、若年世…