長い長い一日: The Philadelphia Museum of Art

朝は荷物を預けに一度駅へ出かける。Museum of Artに最寄りで空港まで通じるSuburban stationにはstorageがなかったため30th Street Stationに。親切な駅員さんはタダ乗りできるチケットまでくれた。3ドルで荷物を預ける。
ぼられないようにとタクシーのおっちゃんに美術館までいくらかを尋ねると、隣りのドライバーの値段は6ドルだよって言っちゃったから、「じゃあお前がいけよ」とかってじゃれあいが始まった。乗れたらラッキーだったがごねられてめんどくさいので歩いていくことに。天気も良くてdock walkingも気分がいい。Philadelphiaは歩いて回るにとても便利な街だ。ニューヨーク然り、一人旅にはコンパクトな街が便利だ。

Philadelphia Museum of Art
念願の来館。想像以上に建物が大きくて驚く。GrASP!のポスター用にエントランス広場の写真を数枚撮る。内装もかなりの規模だ。

以下、ノート:
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[Main Building]
-Special Exhibition
-Europe 1500-
-Europe 18 to 19 century
-Amercan Art
-Asian Art
-Contemporary and Modern Art

[Annex]
-Design
-Decorative art
-Contemporay Special Gallery

極めて基本的な欧米美術史のカテゴリーに則った構成。それに「アメリカ美術」を乗せた形。これもアメリカのミュージアム全般の特徴。Asiaはひとくくりであること、他の非欧米地域は一切ないこと、"Contemporary and Modern" という言葉の順序・概念などが気になるが、コレクションおよびキュレーションの質の高さによってなんだか潔い印象。
写真撮影は特別展でなければ可能。また、レストランやカフェテリア、図書館が充実している。ミュージアムストアは古めかしくてどこにでもあるものばかりでいまいち。

フィラデルフィアに縁のある若手美術家の企画(Now & Here)や、アメリカ美術セクションにもフィラデルフィアの地域性を特徴としていることもわかる。それぞれ非常にうまいことキュレーションが作品を生かしている。

●section "American Art"

--エントランスの展示作品が展覧会の趣旨を明確に示す。

Eg.
・アフリカンアメリカンの歴史

フィラデルフィアの地域史

・デコラティブアートの美術史的な評価

(※デコラティブアートおよびアフリカン・アメリカンの「美術史」における評価=文脈化/回収はBMAでも見られた)

1) 文化史、アメリカ史的な展示
--調度品の展示
各家具の一揃えでクロノロジカルに時代表象
Pealeのだまし絵が展示同士をつなぐ機能。 展示構成がデザイン的にも巧い
--Rural Pennsylvania Collection
--Shaker & Glass collection
--George H. Lorimen collection(Glasses)

2)American Art moviments
--Thomas Elkins
--"The Eight"
--Philadelphia Impresionism
--American Arts & Craft (movement)

※こう見てみると、他の館ではかなり強調されるワシントンを始めとしたアメリカ的アイコンの作品群がフィーチャーされていない。エントランスのワシントン作品も肖像画ではなく何かの場面だったしけっこう珍しい作品だった。キュレーターが典型的なナショナリズムに訴える「アメリカ美術館」の方法論を避けているように思う。

●以下、ミュージアム分析の他に気になった作品
フィラデルフィア作家で日本建築を撮影してるテンプル大学東京高校の作家。 
Glassのコレクションは地域・時代別に総括できて勉強になった。

●Rembrandt特別展
--レンブラントにおけるキリスト教モチーフの作品をテーマにした展覧会。U of Michiganの美術史家ふたりの企画。
--キリスト教絵画の歴史に位置づけてあって、各作品というよりは美術史の流れを学べて勉強になった。
[Tradition of Depicting Jesus]
1) the Mandylion and the Veil of Veronica:
  Mandylion; frontal view(ful face) by "God through people"(≠By human hand);
  Veronica; motif of a woman veiliing Jesus
2) the Lentulus Letter:as the early Jesus study; A style of imaging from the descriptions in the Letter.
=>Rembramdt invented new way

[Rembrandt's common motifs]
the Last Supper
the raising of Lazarus
the Christ's visit to Emmanus
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かなりの広さだったので、Pennsylvania Academy of the Fine Art, PAFAのほうは行けないと判断する。15世紀のEuropean Artやannexは一回りしただけだ。Euro Artもかなり良さそうだった。またフィラデルフィアミュージアムも観光も面白い街で、またすぐに戻ってきたい。

こうしてるとかなり時間がおして急々と30th street stationへ。荷物をピックアップして空港へ。無事間に合ってフライトする。ここからはテーマパークや自動車でのフィールドワークで、ワンフェイズ終わった感じ。ここから移動が長いので現地での計画を兼ねて明日は娯楽の街でひとやすみしようと決める。
なんだかそわそわする。なんだか落ち着かない。なぜなのかわからないまま今日のノートを取りながら考えてみて、ようやくそわそわの訳がわかった気がした。趣味も仕事も分けままに仕事に打ち込んでいるときはとても充実している。そのため思いっきり何もするな、と言われるとどうしたらいいのかわからないのだなあ、とわかった。2日間は猶予を与えて休もう、いい機会だからちょっと割り切ってマイアミビーチでぼーっとしてみようと考えていたのだが、それが原因だったようだ。入港審査で「バケーションでしょ?」って言われてはっとしたが、要するに「バケーション」が苦手で、だからマイアミでビーチなんてどうしたらいいのかわからなかったようだ。

典型的な日本のサラリーマンかMONSTERのルンゲ警部か僕は。ただ、ここにパートナーでもいたらとても楽しく思いっきりバケーションしていたかもしれないな。

ここから一日が一転。マイアミでいつまで経っても荷物が来ない。同じベルトの人達も待ちぼうけ。彼らの荷物はアナウンスが入る。自分も一応その受付で聞いてみようと並んでみる。なんだか様子が変だ。第二のそわそわ。チケットの封筒を探る。2枚?乗り換えだ。手持ちのノートには、乗り換えを飛ばしてマイアミで降りることになっていた。

ホテルは捨てられるが飛行機を捨てると面倒なことになる。とにかく急いで乗り込む。一度check outしたので再度検査を通るためにカウンターに。「あと15分だけど間に合うと思う?」「間に合わせなくちゃねぇ」といういい加減な返事にまた焦る。air trainに乗って走り抜けていくと、乗り換えに時間があったのでなんとか助かった。はー、予定をノートにまとめると見やすいけど間違えることもあるね。レシートを確認するようにしないとと猛烈に反省。気疲れで一時間のフライトはノートを書きながら眠っていて、電子機器をしまえという指示で起こされた。

オーランド空港着が12時すぎ。落ち着いて今の状況を考えてみる。ひとまず2日間ホテルをとって、その間に現地の状況を見て計画しようと思っていた矢先。オーランドの状況から今夜中にtransportation, stay, plan to travel aroundをしなくてはいけない。既に日を超えてしまったし、ここは他の空港にもまして24時間体制で安全そうだ。かなりの人がここで夜を明かしている。バックパッカーを揶揄したアートまで飾ってある。空港全域でwifiが入ったため、大助かりでまずここで明日からの計画を立て直し、予約を済ませることにする。結局3時までかかった。2日間はここでステイしてバスなどで移動し、その後レンタカーを借りてフロリダ半島の各サイトを周遊することにする。思わぬ自動車旅行だが、うまく日取りを設定して安価に抑えられた。ホテルはなるべく早めにとって安く済まそう。意外にこのあたりは一泊25ドルくらいからある。オーランドの調査が何日かかるかに依るが、テーマパークと大型消費のこの街にいたらクレジットカードの中身がいくらあっても足りないので、リサーチを終えてさっさと他の都市に移りたいと思った。長い一日だった。

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