The Mutter Museum

The Mutter Mutterへ。フィラデルフィア医学大学(College of Physicians of Philadelphia)のムター博士のコレクションを元に1787年に設立した伝統の医学標本コレクション。フランス留学帰りの彼は、当時の主流だった検体事例と実験を元にした欧州の医療方法論を持ち帰ったそうだ。で、1980年代以降のこのミュージアムの歴史がおもしろい。遺伝子工学などの発達に代表されるように、もう既にその方法論が学術的価値がなくなるとコレクションの意義は無くなる(ちょっと東京大学の総合博物館を思い出す)。そこでこの館が存在意義を見出したのが、グロとして一部の愛好家に愛でられていたような見世物的側面だったようだ。それに合わせてこの展示も改築。しかし、「開館時よりもともと『医療』であり『見世物』という両側面があった」という歴史記述になっていたのが興味深い。この辺りのディスコースがどのように構築されてきたかを調べる必要がある。

朝は元気な状態だったが、「医療」であり「見世物」である痛ましい展示を真剣に見続けて、流石に疲れてしまう。一昨日からの資料蒐集への焦燥感も手伝って。発表内容を考えながら分析し、丁寧に記録を取る。この館は写真が取れないのが痛い。もう一件はしごすることを考えていたが、結局ここで時間をとって調査を行うことに。

「消費空間としてのミュージアム」というテーマの一事例となる可能性が見える。創造博物館は、展示が宗教の消費を促進している事例として位置づけるが、どのように全体のコンセプトを詰めていくか。かなり高価なカタログを買ったためコマーシャルグッズを諦めたが、あとで考えると発表ではホンモノがある必要はないんだな。あれば御の字だけど。

指導教官にアドヴァイスをもらって調査のconsent form(同意書)を作り始める。しかし展示調査に必要かどうかが直近の問題なので、メールで質問を投げてみる。

二冊も買った大判カタログの重さも手伝って(高すぎてちょっと落ち込む)、帰りはかなりの牛歩。Starbucksで休憩/作業した後に結局歩いてホテルに。お酒でも買おうかと思うが、途中でクラシックなSoda Fountainをリバイバルした毎晩大行列のお店"Franklin Fountain"でSodaを購入。目玉商品らしいアイスとかサンデーをオーダーせず驚かれたが、ソーダは甘くなくてすごくウマイ。アメリカのスイーツで旨かったの、LAのイタリアンジェラート以来だな。「アメリカン」だと初。明日も寄れたらいいなあ。

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