オンライン講演でジェンダーとアートの話をします。6/21「美術史に「女性」をとりもどす ーーアートと美術館のアクションから学ぶジェンダーと歴史」

6月21日に次の講演でお話をします。オンラインです。 フェミニストアーティストや美術館のジェンダー問題への取り組みなどを、作品や展覧会などをたくさん紹介しながらご紹介する予定です。 主催は、女性が生きやすい社会をつくるための取り組みをしているNP…

【連載】コンクリートジャングルのカウボーイとカウガールーー白く塗られた黒人馬乗りの歴史を「修正」する

wezzyの連載第2弾が公開されました。 「コンクリートジャングルのカウボーイとカウガールーー白く塗られた黒人馬乗りの歴史を「修正」する」 wezzy 2021.07.03 (記事ダウンロードリンク) wezz-y.com 「都市の黒人カウボーイ」という隠れた歴史を描いたNet…

【連載】「アウトサイド」からアメリカを映す:『ノマドランド』のイエ・シゴト・タビ

Wezzyの連載第1弾です。映画『ノマドランド』を取り上げました。まだ劇場公開中で、近日中には配信も始まります。でっかいスクリーンがオススメ。 「アウトサイド」からアメリカを映す――『ノマドランド』のイエ・シゴト・タビ wezzy 2021.06.05 (記事ダウ…

アメリカ学会 シンポジウム「表現の自由と不自由のあいだ」のお手伝いをしました

アメリカ学会の年次大会のシンポジウムのお手伝いをしました。 元々はあいちトリエンナーレ2019での「表現の不自由展・その後」の中止事件を機に企画されたものでしたが、「表現の自由」について、アカデミックな領域かつ幅広いアプローチからあらためて考え…

【連載】〈「楽しい政治」のアメリカ〉をwezzyで始めることになりました

2024.4.27追記 掲載先の「wezzy|ウェジー」の閉鎖に伴い、ここに過去の記事のPDFを公開しまとめておきます。本ブログには関連する内容の未公開原稿もいくつかありますので、併せてご覧ください。 wezzy|ウェジー掲載記事一覧 「アウトサイド」からアメリカ…

美術と美術館が語りつぐ公共で/の記憶:藤井光《爆撃の記録》@原爆の図 丸木美術館、東京都平和祈念館アーカイブズ

原爆の図 丸木美術館で、藤井光《爆撃の記録》の展示が開催されている。 marukigallery.jp この作品は1999年に凍結された「東京都平和祈念館」計画を題材にしたもので、「不在」を展示することによって「戦争を公的に記録し、公共の記憶とすること」の不可能…

『民族藝術学会誌 arts/』に論文「遺体が芸術になるとき――医学博物館が拡張する「芸術」と医学教育の倫理」が掲載されました。

新しい研究論文が出ました。人体をミュージアムのコレクションとして扱うことの倫理について考察しています。 「遺体が芸術になるとき――医学博物館が拡張する「芸術」と医学教育の倫理」 『民族藝術学会誌 arts/』(37巻、2021年) DLリンク: https://rese…

講談社現代ビジネスに「カエルのぺぺ右翼化事件」についての記事を書きました。

講談社現代ビジネスに、インターネットミーム「カエルのぺぺ」が右翼のアイコンになった事件についての記事を書きました。 「なぜオルタナ右翼はマンガのカエルを「神」として担ぎ上げたのか?:「カエルのぺぺ右翼化事件」を考える」(講談社現代ビジネス、…

講義「書かない人類学」を振り返る

立教大学で昨年度から始めた「書かない人類学」の講義を振り返ってみる。客観主義と植民地主義批判の後の時代の反メディア的で、マルチメディア的な文化人類学的実践を、「アート/ミュージアム/アクティヴィズム/イメージ」に分けて論じる試み。 マリノウ…

パブリックヒストリー研究会「パブリックヒストリーの現在と未来」に登壇しました

パブリックヒストリー研究会発足二周年シンポジウムに登壇しました。 10名を超える各分野の専門家がジャンルを交差させる試みで僕はミュージアムやモニュメントを担当しました。「災害の記憶――美術館・博物館・モニュメント」と題して、3.11の「震災伝承施設…

ネット時代の「偶像=イコン=アイコン」の物語:『フィールズ・グッド・マンFeels Good Man』(アーサー・ジョーンズ 2020)

「偶像=イコン=アイコン」の物語 ネットコミュニケーションが「偶像/イコン」化する「アイコン」 党派的イデオロギー対立ではなく、準備された「装置」とみる 『フィールズ・グッド・マン Feels Good Man』(監督アーサー・ジョーンズ、2020)を試写で観…

広い時代設定が社会のジェンダー観をあぶり出す 「Inside/Out 映像文化とLGBTQ+」早稲田大学演劇博物館

" data-en-clipboard="true">今年初の展覧会は、早稲田大学演劇博物館で「Inside/Out 映像文化とLGBTQ+」を鑑賞。 " data-en-clipboard="true"> 2室のみというごく小さな規模の展示にもかかわらず、かなり幅広い時間軸の設定。大づかみに主題について理解で…

よく知る風景を「見知らぬもの」にする事と気まずさの美学:『もう終わりにしよう I’m Thinking of Ending Things』(チャーリー・カウフマン Netflix、2020)

Netflixの『もう終わりにしよう I’m Thinking of Ending Things』を観た。今年のベスト級に良かった。 シンプルなようでつかみどころのないプロットから、キーワードを列挙してみる。実家と帰省。家族の価値観との違和。ドライブ。昔通った学校。甘すぎるア…

clusterに武蔵大学ヴァーチャルキャンパス「ヴァーチャルミュージアム」を公開(11/1予定)

武蔵大学の英米文化学科では、「アメリカ研究」と「ミュージアム研究」という二つの学問領域を学ぶゼミを主宰している。アメリカはともかく「ミュージアムを学ぶ」とはあまりイメージがわかないかもしれないが、例えばこういうことを議論する。ニューヨーク…

日本の現代美術をもっと脱植民地化すべきだった/森美術館「STARS:現代美術のスターたち――日本から世界へ」

森美術館で開催されている「STARS:現代美術のスターたち――日本から世界へ」展を観た。 選ばれた六人の現代美術家は、贔屓目に言っても「日本を代表する」と言って良いアーティストたちである。宣伝文句でも謳われている通り、この展示ひとつで、第二次大戦…

「パブリックヒストリーが開く虐殺の歴史――オクラホマ州タルサをトランプ集会とHBOドラマ「ウォッチメン」で見る」を寄稿しました。

フィールドワーカーためのウェブマガジンFENICSで、コロナ期の社会運動について連載中です。第6回が公開されました。 「パブリックヒストリーが開く虐殺の歴史――オクラホマ州タルサをトランプ集会とHBOドラマ『ウォッチメン』で見る」 (連載・コロナ禍のフ…

「ハッシュタグをハックする:K-POPファンのブラック・ライブズ・マター運動」+「正義の荒らし?警察アプリとTikTokをめぐるK-POPファンの平和攻撃  」をウェブマガジンFENICSに寄稿しました

「ハッシュタグをハックする:K-POPファンのブラック・ライブズ・マター運動」 「正義の荒らし?――警察アプリとTikTokをめぐるK-POPファンの平和攻撃」 (連載・コロナ禍のフィールドワーク『FENICS』 2020.7.25 + 2020.8.25) フィールドワーカーためのウェ…

大統領の「死」を観光する:テキサス州ダラス「六階博物館 The Sixth Floor Museum」のダークツーリズム/タナツーリズム

テキサス州ダラスに「六階博物館(The Sixth Floor Museum)というものがある。ジョン・F・ケネディの暗殺に関わる資料を調査し、大統領の功績を顕彰するミュージアムだ。歴史協会が1989年に開いた。このサイトには「暗殺カレンダー」があって、とてつもなく…

【便利アイデア・備忘録】学習管理システム(Blackboard)で大部数のレポートを採点する際に効率化する方法

コロナ禍で教育の遠隔化が進んでいます。筆者の勤める大学でも前期は全て遠隔授業に、残念なことに今年度は後期もその予定です。感染拡大を阻止するためには止むを得ませんが、短期的にも長期的にも教育への影響を強く懸念していて、新たな授業のかたちを模…

西池袋マダムシルクは「旅行」をする場所だった。

お盆の相変わらずうだるような暑さの中、自転車を走らせて西池袋へ向かった。或るバーが閉まると聞いたからである。マダムシルクは、雑居ビルが立ち並ぶ繁華街の中心地区から、少しだけ外れたところにある。 池袋の大学に通っていた頃、初めて訪れた。飛び込…

ジョージ・フロイド圧死事件とブラック・ライヴズ・マター運動の拡大【資料編】

ブラック・ライヴズ・マター運動に関する参考資料を集めています。 (1)メディア、報道、論評、研究 ○エッセイ ○新聞・雑誌記事 ○研究者や学会の発信・声明 ○ラジオ、ウェブ動画番組、シンポジウム(日本語中心) 報道、ポッドキャスト、YouTube セミナー…

スパイク・リー「3 Brothers」(2020):未だに奪われ続けている「物語」を作る力を取り戻すカットアップ

Spike Lee ”3 Brothers” (2020) 3 Brothers-Radio Raheem, Eric Garner And George Floyd. pic.twitter.com/EB0cXQELzE — Spike Lee (@SpikeLeeJoint) 2020年6月1日 黒人の苦境を題材に撮り続けてきたハリウッド映画監督スパイク・リーによるショートフィル…

「家族」が必ず参加しないといけないのなら選挙活動は怖いと思った:大島新 監督『なぜ君は総理大臣になれないのか』(2020年)@ポレポレ東中野

大島新 監督『なぜ君は総理大臣になれないのか』(2020年)をポレポレ東中野で観た。 現職衆議院議員小川淳也氏の選挙・政治活動を、17年にも渡って撮影したドキュメンタリー。 自分が教える大学の講義の話になるが、折に触れ、「楽しい政治」をキーワードに…

「東京・代々木『ブラック・ライブズ・マター・トーキョー』デモのエスノグラフィー:ネットで軽やかにフィールドをつなぐこと、『見えない』ものに目を凝らすこと」をウェブマガジンFENICSに寄稿しました

フィールドワーカーためのウェブマガジンFENICSで、コロナ禍のデモ・運動につい連載をしています。その第3回が公開されました。今回は、日本国内でのブラック・ライブズ・マター(BLM)の抗議行動に参加して考えたことを振り返っています。 東京・代々木「…

NHK『世界のいま』の黒人人権運動の紹介はどこが「差別的」だったのか?アメリカ学会の研究者からの声明のポイント

この声明文は、NHKに対して問題を伝え、再度正式な謝罪や対応を求めるもので、論拠をのせた解説にもなっています。問題の所在を以下の4点に分けてうまく説明しています。関心があるのに問題がわからない、だからあまり口に出せないなあ、と感じていた人はぜ…

【随時更新】コロナ時代の「文化支援」の様々な試み

この記事では、新型コロナウイルスのパンデミック以後の社会における、アートやエンターテインメントなど広い意味での「芸術文化」に関する文化支援・文化政策などについてまとめています。 ●政府・自治体による文化政策 【国内】 政治・自治体の動き シンポ…

「コロナ禍のフィールドワークとアメリカのカーデモ(前)(後) - コロナ禍のフィールドワーク(連載)」をウェブマガジンFENICSに寄稿しました

フィールドワーカーのためのウェブマガジンFENICSに連載している記事が公開されました。アメリカでの自動車によるデモについてのものです。 「コロナ禍のフィールドワークとアメリカのカーデモ(前)(後) - コロナ禍のフィールドワーク(連載)」 『FENICS…

Do you need culture? ジャンルを超えた文化支援のヨコつなぎ

これまでのエントリーでも紹介した通り、‪コロナ禍の文化支援にはそれぞれの表現ジャンルで様々な試みが起こっています。 それらに対して、領域を横断する大規模なプロジェクトが立ち上がりました。#WeNeedCulture ‬のハッシュタグで情報が広がっています。…

【掲載情報募集中】ライブハウス・クラブへの支援活動情報まとめ

音楽関連の支援活動情報のまとめです。(軽音楽・非クラシック中心) 情報ウェブマガジンの themassage.jp によるもので、支援プロジェクトについて掲載もできるそうです。 themassage.jp

盗用なのか流用なのか:米大手スーパー「トレーダージョーズ Trader Joe’s」から考える「文化のアプロプリエーション」」

全米売り上げで単純に測っても、2000年代半ばには全米スーパー第二の売上を誇るほどに成長し、米国を代表するスーパーマーケットとなった。この人気について少し解説してみよう。